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OUPから本格的な英語学習者向けシソーラスが出版されました(ISBN: 978-0-19-475200-8)。首都圏の洋書店でもまだ見かけませんが,Amazonでは購入できます。
すでに出ている類語活用辞典のLearner's Word Finderは,シソーラスというよりも関連語辞典に近いもので,それほど大きなものではありませんでしたが,OLTはロングマンのActivatorに匹敵する規模の,本格的な類語辞典です。
学習者向けと謳うだけあって,Activatorのように類語ごとに定義がされているので,類語間のニュアンスの違いがよく分かります。見出し語はアルファベット順配列ですが,巻末のインデックスを使えば,見出し語の中にある類語群からも引けます(これはWord Finderにない特徴です)。
Activatorと違うのは,Activatorの大きな特色である口語的な定型表現が少ないかわりに,フォーマルな文章(タームペーパーなど)でも使えるような改まった語が充実している(このあたりは,Activatorよりもネイティブ向けシソーラスに近いです)こと,定義や用例だけでなく,4000近い囲みの中で類語間のニュアンスの違いを説明していること,品詞の垣根を越えたキーワードを定め,その中で細かく分けるのではなく,ネイティブ向けシソーラスのように品詞毎に見出し語を定めていること,などでしょうか。
類語の選定も,上述のように,口語的なフレーズが非常に少ないので,Activatorより保守的な感じがします。たとえば,enjoyを引くと,have a ball, have the time of your lifeといった口語表現は出ていませんが,glory inといった書き言葉は出ています。一方で,Activatorが手薄な,似たような意味を持つ名詞の違いは詳しいです。box / basket / case / container / cartonやbottle / pot / jugの違いなどです。このようなことからも,OLTはネイティブ向けシソーラスの特長を活かしながら,類語群を精選し,語義,用例,囲みの三本立てでニュアンスの違いを説明しているという点で,学習者向けOTE/COTと言っても過言ではないと思います。
アカデミックライティングの際には,外国人学習者でもシソーラスは必須ですが,Activatorは類語群の選定にくせがあるので,とくに上級レベルのフォーマルなライティングになると物足りないですし,電子辞書でOTEを検索し,そこからOALDにジャンプしながら類語ごとのニュアンスの違いを調べようにも,OALDはシソーラスとして作られているわけではないので,語義が似たり寄ったりで,ニュアンスの違いまでは分かりにくいというきらいがありました。OLTは,単に学習英英辞典の語義を流用しているのではなく,シソーラスとしての定義で書かれているので,類語間の細かな違いがよく分かります。類語間で,一見そっくりにみえる定義でも,細かなところが違っていることがあるが,その違いは意図的なものであるというような説明がありましたが,語義をじっくり読み込むことでニュアンスの違いがはっきりするというのは,英語を書く機会の多い学習者にはありがたいです。
ネイティブ向け・学習者向けのダブル英英搭載機は珍しくありませんが,今後はOLTを搭載することで,ダブルシソーラス搭載機が業界標準になってくるのではないでしょうか。年末あたりにOALD搭載の上級機種の新製品が発表されるなら,十分考えられると思います。
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