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↑日本語と英語両方について,専門レベルのコンテンツを搭載した最上級機です。コンテンツに関しては,現時点では申し分ない内容です。新規搭載のコンテンツこそそれほどありませんが,既存の各機種のコンテンツの中から重厚なものを集めて1台に搭載したという点に大きな意義があると思います。多冊機種というと,数稼ぎという印象がありましたが,今後はGF10000のように,「量」と「質」の両立が求められるようになると思います。
一方で,これだけ重厚なコンテンツを搭載しているのに,辞書モードキーは旧機種と同じであり,ワンタッチでなるべく多くのコンテンツを選択できるという仕様ではありません。「道具」として考えた場合,このあたりが大きなネックになります。カシオの場合,XD-GT9500(手書き非搭載の最終モデル)では2列のモードキーを搭載し,主要コンテンツのほぼすべてが2タッチ以内で選択できたのですが,手書きモデルになってからは,コンテンツが増える一方でモードキーが減り,メニューからの選択を前提とした操作系になってしまい,使い勝手が大きく悪くなりました。今回の機種でも,コンテンツが練り上げられた一方で,このあたりの点が全く変わっていないのが気になります。
いろいろなところで出す例ですが,このことは,コンビニ仕様のコピー機(A4白黒1枚のコピーをとるだけなのに対話形式のメニューで何ステップかキーを押さないといけない)とオフィス向けのコピー機(白黒の等倍コピーなら原稿をフィーダーに載せるだけでできる)の違いと同じことが言えます。コンビニのように不特定多数が使うコピー機なら,多少時間がかかっても親切なユーザインターフェイスが重要になりますが,オフィスのように,道具として頻繁に使うコピー機は,必要なコピーがワンタッチで撮れることが求められます。
電子辞書にタッチパネルを搭載するかわりに,メニューを(タブをつけるなど)GUIにして,その副作用でモードキーが減らされたというのは,どちらにせよ,全コンテンツをモードキーに割り当てられないのだから,それならばキーを減らして手書きパネルやメニューなどのユーザーフレンドリーな操作系を重視するという発想だと思いますが,このために,パワーユーザにとっては使いにくくなってしまいました。一括検索モードなら,そもそも辞書を選ぶ必要がないのだから,搭載コンテンツのほぼすべてがワンタッチで検索できるではないか,と反論されそうですが,100コンテンツを串刺しするとリスト画面も長くなり,必要な情報を選ぶのが大変になります。
電子辞書専用機は,もともとは「道具」に徹した操作性の良さが,CD-ROM辞書やオンライン辞書と大きく差別化できるウリだったと思いますが,ユーザの裾野が広がったことで,手書きパネル搭載など,初心者にとっての使いやすさにも目を向けるようになってきました。しかし,最近になってDSやiPod Touchをはじめとした,より直感的な操作系を重視したハードウェアが出てくるようになり,専用機のスタンスがぶれかけているような気もします。
iPod Touchの辞書コンテンツは,コンテンツ相互の連携を全く考慮していないですし,引き直すたびに画面をクリアする必要があるなど,パワーユーザが常用する(できる)辞書ではありません。一方で,マニュアルレスで(実際,iPod Touch用のダウンロード辞書にはヘルプ画面1枚ついていないのがほとんどです)誰でも使えることや,コンテンツを自分で選べ,値段も安いことなどから,今後大きく普及する可能性もあります。
そうなると,電子辞書専用機はどうなるのでしょうか。カラー液晶を搭載し,タッチパネルを付け,MP3再生機能を搭載しても,これらはiPod Touchですべて実現されています。最近になって,ようやく辞書を引きながら音楽も聴ける専用機も出てきましたが,音楽再生すると検索速度が目に見えて遅くなってしまいます(音楽を聴きながら他のことをすることを前提にしているiPod Touchにはおよばないところです)。
結局,専用機が生き残る道としては,コンテンツの「質」と「連携」,さらに,「道具」に徹した使い勝手なのではないでしょうか。専門ユーザにとっては,それに加えて,電子辞書独自の検索機能ということも求められます(これは,ファイルサイズを抑えることが求められるiPod Touch用の辞書がかなわないところです)。XD-GF10000は,最初の2つは十分満たしており,SIIの現行機種は,さらに3つ目も(VGAの副作用で反応が遅くなったことを除けば)及第のレベルにあります(モードキーで主要コンテンツはすべて選択できるなど)。もし今後,SIIなどがハイエンド機の新機種を出すのであれば,最後の4つ目に着目してくるのではないでしょうか(そうしないと,他社製品と差別化できませんので)。たとえば,国内モデルではまだ搭載実績のない,英英系コンテンツの全文検索も,海外モデルではER8000(COD,COTの全文検索),ER9000(ODEの全文検索)で実現されています。ER9000では,さらに英英辞書の単語を意味カテゴリーにわけ,カテゴリーから検索することもできます。このような機能は,ごく一部のユーザしか必要としないのかもしれませんが,こういう機能が実現できるのは専用機だけですから,今後に期待したいと思います。
http://www.casio.co.jp/release/2009/xd-gf10000.html
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